『太陽が空に言いました』

大丈夫だから


大丈夫。


だから


辛い時は


笑わなくて良いよ？

たった一言

そんな一言


戸惑いもなく

言葉よりも先に

空は

涙を流した...


すると


日照り続いた大地には

潤いが

渇ききった風には

勢いが



どうして？



そんな情景に戸惑いながら


空は泣いた...



心地良い


その感覚


空にはまだ


分からない


感覚...


ナンダ...コレ？



イ・ヤ・ダ？



太陽の暖かさに

空は一瞬の怯えを放った


コワイ。。。


空は再び笑顔を作ろうとした


逃げようと

笑顔を向けた


だが


太陽はゆっくりと

空を

抱きしめた



そして答えた...



大丈夫


傍に


傍にいるから



空は


太陽を見上げた


あれ？


アタタカイ...？


初めてのようで懐かしい


感覚


空の強張りは

まるでタンポポのわた毛のように


すーっ

と

抜けた



大丈夫

大丈夫


君は



独りじゃないから...


僕が


僕が傍にいるから...


。。。



その日から空は

色んな表情を見せるようになった


傍には太陽


空は太陽に言った


君の光が僕を照らし

君のぬくもりが僕を包む


君は

本当、暖かいんだね？



不思議だ...


空は

首をひねり

太陽を見つめた


太陽は

くすりと笑う


分からない事はこれから覚えていけば良いんだよ


君は

始まったばかりなのだから


太陽はそう言って


優しく空を

緩やかに撫でる...



ありが…とう？


この言葉で合っているのかな？


自分の放った言葉のぎこちなさに

空は焦る


分からない

分からない？

うー...

分からない


でも

まだ始まったばかり


空は恥ずかしそうに太陽を見上げる


ばーか、大丈夫だよ。

ホント？大丈夫？

うん、大丈夫。

そっか、大丈夫！


空は嬉しそうに

微笑んだ。。。


そして力強く、真っ直ぐ、そして無邪気に


偽りのない笑顔で


空は言った...




ありがとう